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【書評】労働組合とは何か?

木下武男著

 岩波新書から『労働組合とは何か』(木下武男著)が出版されたので早速読んでみた。 

 本書はまず第一に、日本の労働組合の力が極端に弱いことが企業のやりたい放題を許しているとし、労働者の現状を打破するのは他の誰でもない労働組合だと熱烈に訴える。筆者は、「本当の労働組合」とそれを形成するエネルギーをユニオニズムと定義し、ユニオニズムの創造を訴える。筆者は、労働者のひどい現状を弾劾するだけではなく、労働運動の新しい時代の到来だと把握。新しい労働運動の登場が必要であり、必然であることを労働組合のルーツから解き明かす。  第二に、筆者は、英国において産業革命が進展し、熟練労働者を組織した職業別労働組合が有効性を失う中で、ロンドン港の低熟練労働者を組織した一般労働組合の運動が、新しい活動家集団によって担われたことを紹介している。

  そして日本で広がる19世紀型の野蛮な流動的労働市場の中からユニオニズムの新たな担い手を見出すことが必要であると訴える(新しい労働者の類型論)。つまり、新しい労働運動は新しい活動者集団によって担われる、と。非常に新鮮かつ啓発的な提起だ。新しい労働運動を担う活動家集団はいかに生み出され、どう鍛えられるのか、を真剣に考えたい。 

 結論的に、そしてユニオニズムの根源的機能を追求した集合取引と共通規則を内包した運動を進めることを訴えている。さらには業界の産業構造を変革する運動、合同労組やユニオンについても、地域的な交流や企業別労組の集合体にとどめることなく業種別の結合を、と唱える。理念や具体的な施策について大いに議論したい。皆さんも、ぜひ読んでください。

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